腹痛
- 胃の不快感
- チクチクする・刺しこむような痛み
ほかにも、尿管結石・膀胱結石などの泌尿器科疾患の疑いもありますが、女性の場合は子宮内膜症や子宮筋腫、卵巣腫瘍茎捻転(らんそうしゅようけいねんてん)、子宮外妊娠など婦人科疾患の可能性も考えられます。 問診と触診で症状を見てから血液検査やレントゲン検査などを実施して、確定診断します。さらに必要があれば腹部エコー検査(超音波検査)や 胃カメラ、大腸カメラ検査なども行います。
便通異常
- 便秘と下痢を交互に繰り返す
- 便が細い
- 残便感がある など
急に腹痛や下痢が起きた場合は、感染性腸炎やサルモネラ腸炎やカンピロバクター食中毒など細菌感染による腹痛の可能性が高いです。 便秘や便が細いといった症状がみられる場合は、大腸がんなどの癌疾患のケースもあります。がんがないかを確かめるためには、大腸カメラ検査の受診を推奨します。
健康診断や検診、人間ドックで異常・再検査
- 便潜血
- ピロリ菌
- 肝機能異常
- 胃レントゲン検査
胃カメラ・大腸カメラ検査で異常が見つからないと分かるだけでも安心できます。そして検査時に疾患が発見できた場合は、軽症のうちに早期治療を行うことができるので、心身ともに負担のない治療で済む可能性があります。
食欲不振・体重減少
- 疲れやすい
- 全身倦怠感
- ふらふらする
- 貧血様症状
消化器系疾患から起きる場合もあり、胃がんや大腸がん、膵がんなどのがん疾患や、胃潰瘍・十二指腸潰瘍や慢性胃炎(ヘリコバクター・ピロリ菌感染や飲酒・喫煙などが原因で発症しやすいです)、慢性便秘などが原因で起きるケースもあります。 消化器系以外の疾患からくる食欲不振といったケースも存在しており、甲状腺の病気、血液中の電解質異常、薬の副作用などで引き起こされる場合もあります。
上腹部症状
- 胸焼け
- げっぷ
- みぞおちの痛み
- むかむかする
「すっぱいものが上がってくるような感覚がする(呑酸)」、「胸がむかむかする」などの症状がありましたら、逆流性食道炎の可能性が高いです。食後すぐに横になると、症状が悪くなる傾向もあります。 逆流性食道炎の他にも、胃カメラ検では特に異常が見つからないが機能的な問題(胃の動きが悪いなど)が起きている、機能性ディスペプシア(FD:Functional Dyspepsia)にかかっているケースもあります。 また、横隔膜の下にある胃の一部が食道裂孔から飛び出し、横隔膜の上部へずり上がってしまう食道裂孔ヘルニアの疑いもあります。 胃カメラ検査時に食道や胃の粘膜の状態などを観察して、確定診断します。
血便・黒色便
- 便に血が混ざっている
- タールのような黒い便が出た
痛みがない場合では、大腸がんや大腸ポリープ、痔・裂肛、憩室出血などの疑いがあります。 痛みがある場合は、潰瘍性大腸炎、クローン病などの炎症性腸疾患、虚血性腸炎、感染性腸炎などが考えられます。
まずは医療用ゼリーを塗った指で肛門の触診を行い(直腸診)、そこから採血検査で貧血の有無を確認していき、炎症の程度を確認していきます。状態によっては大腸カメラ検査も実施します。 黒色便といって、タールやイカ墨のような黒い便が出た場合には、どちらかというと胃または十二指腸のどこかで出血している可能性が高いです(鉄剤を飲んでいる方の場合は黒い便が出やすいので、事前に申し出てください)。 胃潰瘍・十二指腸潰瘍、胃がんなどを発症しているケースもあるので、速やかに胃カメラ検査を受診しましょう。
のど・食道のつかえ感
- 食べ物が飲み込みにくい
- むせる
- 嚥下困難
- のどの不快感
どの疾患でも、早急に対処する必要があるので、速やかに胃カメラを受診しましょう。 とくに中高年層の方は、心臓疾患である狭心症の症状として、のどの不快感が起きてしまうこともあります。消化器系の疾患とは限らないので、医師による正確な診断が必要です。
黄疸
- 尿が濃い
- 目が黄色い
- 顔色が黄色っぽい
黄疸とは、皮膚や眼球結膜が黄色くなってしまう疾患です。なかなか自覚しにくく、知り合いに指摘されてから病院を受診する方も多いですが、「尿の色が濃い」と自覚できるケースもあります。黄疸は重大な疾患によって引き起こされることもあるので、見つけ次第、速やかに病院へ相談してください。原因は主に、肝臓・胆のう・膵臓の疾患からくるケースが多いです。肝臓系の疾患では、急性肝炎やB型肝炎・C型肝炎などのウイルス性肝炎や、アルコール性肝炎、肝硬変、肝臓がんなどがあります。胆のうの疾患ではおもに、胆管がん、胆のうがんなどのがん疾患があります。胆管炎、胆石・総胆管結石といった、悪性ではない疾患でも黄疸が現れる場合もあります。 膵臓疾患では、膵がん、膵炎などがあります。しかし体質性黄疸という、ビルビリンの分解に先天性の障害があるケースもあります。ほとんどの方は治療する必要がありませんが、かゆみなどの症状がある場合は、対症療法を行う必要があります。